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医師による記事監修とは?医療監修のあり方と進め方

監修 ドクターK@眼科医

この対談に参加した医師

あらた@大学病院
あらた@大学病院
✓ 医師免許確認済み

呼吸器外科

Dr.LION
Dr.LION
✓ 医師免許確認済み

美容医

ドクターK@眼科医
ドクターK@眼科医
✓ 医師免許確認済み

眼科医

医師の副業は、記事の執筆や編集、監修やセミナーへの登壇などさまざまです。今回は、なかでも取り組みやすく本業とのバランスをとりやすい「記事監修」について、数多くの案件に取り組む医師3名による座談会を実施しました。副業に興味をお持ちの医師の方はぜひ参考にしてくださいね!

あらた先生(呼吸器外科)
医師11年目。大学病院で肺がん手術を中心とする呼吸器外科医。地方病院での消化器外科研修や訪問診療の経験もあり、幅広く医療記事の監修を行っている。基本的には実名での監修が多いが、匿名での監修経験もある。

らいおん先生(研究者・自由診療)
医師7年目。自由診療クリニックの院長であり、再生医療系の上場企業で顧問・研究者としても活動。実名よりも匿名アカウント「Dr. LION」としての活動が増加。医師の副業や経済的自立にも関心を持ち、積極的に発信中。

ドクターK先生(眼科医)
医師8年目。眼科専門医として診療に従事しながら、X(旧Twitter)やオウンドメディアで多数の記事を執筆。匿名・実名双方で監修経験があり、メディア特性や信頼性に応じて使い分けている。

そもそも「記事監修」とは?定義と業務内容

——そもそも医師による監修って何ですか?

らいおん先生(研究者・自由診療)
監修とは、記事の内容が科学的根拠に基づいているかを確認し、監修者として実名や経歴を明記する行為です。医師が関与する場合は「医療監修」と呼ばれ、記事の信頼性向上に寄与するだけでなく、SEO上の権威性にも影響します。

ドクターK先生(眼科医)
科学的根拠のチェックに加え、文章全体の整合性や表現も確認が必要です。監修された記事は信頼性が高く、今後も需要が高まると感じています。

あらた先生(呼吸器外科)
監修は、医師として「この内容を患者に勧められるか」を問う責任ある行為だと考えています。医療記事という“薬”に対して、自らの処方印を押すような感覚です。

らいおん先生(研究者・自由診療)
医師名の記載や、出身大学・所属学会へのリンクがSEOにもプラスに働きます。

ドクターK先生(眼科医)
Googleでは「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」という品質評価基準があり、医師監修はこの要件を満たす要素として重要視されています。

らいおん先生(研究者・自由診療)
経歴にリンクを付けるとSEO的に有利になることを伝えると、喜ばれることもあります。

あらた先生(呼吸器外科)
こうしてみると、監修の役割とE-E-A-Tの要素が非常に重なっているのがよく分かります。

らいおん先生(研究者・自由診療)
また、「誤った医療情報を広めない」という視点からも、我々の使命である「正しい医療知識を広める」ことと一致しています。

あらた先生(呼吸器外科)
ちなみに、明治時代の出版物にも「医師校閲兼監修」として医師名が掲載されていたそうです。医師監修には意外と長い歴史があるのですね。

らいおん先生(研究者・自由診療)
驚きです。最近では、サプリメントや寝具など、医療とは言いがたい商品の監修依頼も多くなっていますが、科学的根拠がないものは引き受けないようにしています。

あらた先生(呼吸器外科)
私も「疲れが取れるシャツ」の監修を依頼されたことがありますが、エビデンスに乏しく断りました。文献紹介などアドバイスはできますが、製品として責任を持つとなると非常に慎重になります。

らいおん先生(研究者・自由診療)
実名監修は特に、医師としての信用に関わるため、慎重な姿勢が求められます。

あらた先生(呼吸器外科)
ドクターK先生のように記事執筆を多くされている方ですと、記事以外にも監修のご経験があるのでは?

ドクターK先生(眼科医)
はい。サプリメントや医療機器の依頼もありますが、エビデンスが不十分なものは基本的に断っています。実名監修は信頼できる媒体のみに限定しています。

あらた先生(呼吸器外科)
やはり、監修とは「名前を出すかどうか」ではなく「責任を持てるかどうか」が本質ですね。

テーマのまとめ

1.医師監修は「内容の責任を持つ行為」であり、単なる名義貸しではない

2.実名・匿名の使い分けには「媒体の信頼性」と「自らの責任感」が反映される

3.医師監修はSEOやE-E-A-Tの観点でも価値が高い

正しい監修のポイント|監修の実務

——監修はどのようなフローで進むのですか?

あらた先生(呼吸器外科)
まず「医学的に間違っていないか」を最優先で確認します。特に呼吸器外科のような手術適応の判断が含まれる記事では、記載ミスが患者の判断に影響を及ぼすため慎重にチェックします。そのうえで、「一般の読者がどう受け取るか」という視点も欠かせません。専門用語の使いすぎや誤解を招く表現には注意が必要です。

らいおん先生(研究者・自由診療)
日本語として違和感のない自然な流れになっているかを確認すると同時に、読者の知識レベルに合わせて専門用語の使い方も調整します。自由診療の記事では「効果に個人差がある」ことを明確に伝えることも重要です。見えない患者に語りかけるような意識で記事を読みます。

ドクターK先生(眼科医)
監修で重視するのは、因果関係が正確に書かれているか、医学的に誤りがないか、そして引用文献の正当性です。私はエビデンスに特に重きを置いています。内容によっては、ガイドラインやメタアナリシスが存在しない場合もありますが、その際は監修自体をお断りすることもあります。

あらた先生(呼吸器外科)
教科書的に網羅されていても、実臨床では使用されない検査や治療もあります。そのため「現場に即しているか」も意識して確認します。

らいおん先生(研究者・自由診療)
自由診療の記事では「強く言い切る」ことが求められることもありますが、根拠のある内容しか記載しないようにしています。説得力を持たせるには、経験とエビデンスの両方が必要です。

あらた先生(呼吸器外科)
エビデンスの有無については、私もまずガイドラインや厚労省の情報を確認します。肺がんのような分野では、がんセンターの公開情報も参考になります。

ドクターK先生(眼科医)
私も同様に、ガイドラインや厚労省サイトで確認し、それでも不十分な場合は海外のガイドラインやPubMedを活用します。特にサプリや医療機器などは効果が確立していないものが多いため、監修を引き受けるか慎重に判断しています。

らいおん先生(研究者・自由診療)
自由診療では信頼できる大規模データが少ないことも多く、実体験や専門書の内容を参考にしながら慎重に構成します。

あらた先生(呼吸器外科)
エビデンスの段階を一般向けに説明する際は以下のように整理しています

•        第5段階:伝聞・理論(SNSや体験談など)

•        第4段階:症例報告・専門家の意見

•        第3段階:観察研究(相関はあっても因果は不明)

•        第2段階:RCT(無作為化比較試験)

•        第1段階:メタアナリシス・システマティックレビュー(最上位)

ガイドラインに採用されるのは通常、第1段階のエビデンスに基づくものです。

テーマのまとめ

1.「医学的に正しい」だけでは不十分。誤解なく伝える工夫が必要

2.監修の際は、信頼できるエビデンスに基づく確認が重要

3.医師の専門性と社会的責任が問われる業務であり、表現のバランス感覚が重要

記事監修の匿名・実名どちらがいい?

——まずは医師として、匿名・実名をどのように使い分けているか教えていただけますか?

らいおん先生(研究者・自由診療)
法人の1期目は、事業所得を得たくて実名で医療監修をしていました。ただ、今は実名を出しても恥ずかしくない、しっかりしたメディアや記事のときだけ実名で引き受けています。それ以外はペンネームでの寄稿にしています。

あらた先生(呼吸器外科)
“実名を出しても恥ずかしくないメディアかどうか”という判断軸は実践的ですね。私は実名での監修が多かったのですが、最近は匿名の方がざっくばらんに話しやすいテーマもあると感じています。先生は「しっかりしたメディア」の線引きはどこに置いていますか?

らいおん先生(研究者・自由診療)
既にライターさんが書いている記事であれば下記のような点で判断しています。

•掲載記事のエビデンスがしっかりしている

•実績として公にできるメディアかどうか

また、本音を引き出すために「寄稿記事にしてほしい」と依頼されることもあります。

あらた先生(呼吸器外科)
逆に「これは実名では監修したくないな」と思うようなメディアにはどんな特徴がありますか?

らいおん先生(研究者・自由診療)
クリニックを比較してランキング付けしているメディアは、支払金額で順位が変わることが多いため、すべて断っています。あとは、利益相反の可能性がある場合も避けています。

あらた先生(呼吸器外科)
ランキングメディアにも監修依頼があるのですね。利益相反のリスクを考えると「純粋に情報を届ける」使命に反しますね。

ドクターK先生は匿名と実名、どう使い分けていますか?

ドクターK先生(眼科医)
私はきちんとしたメディアでなければ、実名でも匿名でも監修しません。実名と匿名は、メディアの影響力や媒体の質で決めています。

匿名発信が一般化した今でも、医師や論文解説では実名でなければ相手にされないことがあります。

一方、X(旧Twitter)経由での依頼は、匿名で監修しています。拡散を求められることが多く、一総合病院の医長として発信するより「ドクターK」としての方が拡散力があるためです。

らいおん先生(研究者・自由診療)
私も「Xでの拡散」が条件の匿名記事の依頼をDMでもらうことがあります。

あらた先生(呼吸器外科)
媒体の信頼度や拡散力を見極めて実名/匿名を選ぶ発想は納得です。

「匿名(ペンネーム)」は信頼性が低いと思っていましたが、SNSで拡散力があると有益なんですね。先生方は、どのくらいのフォロワー数から依頼が来るようになりましたか?

ドクターK先生(眼科医)
5000人くらいから徐々に増えて、1万人を超えたあたりから明らかに依頼が増えた印象です。

あらた先生(呼吸器外科)
先生は今ではフォロワー5万人ですもんね。発売即重版のご著書もありますが、あの書籍は実名とアカウント名の両方を記載されていますよね。出版にあたっては実名の方が良いという判断だったのでしょうか?

ドクターK先生(眼科医)
はい、出版社からも聞かれました。匿名でも問題なさそうでしたが、きちんとした内容の本を出すつもりでしたし、将来的に開業する時にも活用できるようにしたかったので、実名にしました。

テーマのまとめ

1.実名・匿名の選択はメディアの信頼性に依存する

2.SNSの拡散力は匿名発信の価値を高める

3.今後のキャリアや書籍出版には実名が有用

まとめ

今回のBIZMED座談会は医師の記事監修の業務内容や進め方、注意点をお届けしました。

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