医師が討論!オンライン飲み会(懇親会)顔出しする?しない?医師が討論!
新型コロナウイルスが猛威をふるっていた時期はオンライン懇親会、オンライン飲み会が数多く開催されていました。今でもオンラインのコミュニティ、遠方の方と交流をするためにオンライン懇親会、飲み会は実施されているようです。
そこで今回はオンライン懇親会などの参加機会が多い医師3名による、顔出しの是非やオンライン懇親会の活用方法などを話し合う座談会を開催いたしました。
参加医師の自己紹介
Dr.Y413(産科麻酔/ライター)
医師13年目、麻酔科11年目。出産を経て懇親会の参加は減少傾向にあるが、リアル・オンライン問わず興味は強く、情報交換の場としての懇親会の意義を考えたいと思っている。
あらた(大学病院)
医師11年目の呼吸器外科医。肺がん手術を担当している。懇親会はリアルもオンラインも経験があり、子育てと仕事のバランスからオンラインの可能性にも注目している。
しまりす(腎臓内科)
医師16年目。子育て中で懇親会の参加は減っていたが、再び参加を増やしていきたいと考えている。
そもそも懇親会とは
——まずは、懇親会の目的や意義についてですが、皆さんはどんなふうに捉えていらっしゃいますか?
Dr.Y413先生(産科麻酔)
初対面の方との顔合わせ、イベントの打ち上げ、あるいは決起集会など、シチュエーションによって目的は違ってくると思います。
しまりす先生(腎臓内科)
たしかに目的はシーンによって異なりますね。私は以下のように整理しています。
• 初対面の場合は、互いの人柄や雰囲気を知ることで信頼関係の第一歩を築く場
•決起集会では、目標の共有や士気の向上が目的
•打ち上げは労をねぎらい、感謝や達成感を共有するためのもの
定例型や雑談型の懇親会は、日常的なつながりや心理的安全性の維持、孤立防止にもつながりますね。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
とてもわかりやすい整理ですね。それぞれ少しずつ目的は違っていても、共通しているのは「コミュニケーションのハードルを下げること」と「参加者が心地よく過ごせる場にすること」ではないかと感じます。
しまりす先生(腎臓内科)
逆に言えば、雰囲気づくりに失敗すると、関係性がぎこちなくなってしまうこともあり得ると感じています。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
定例型のような継続的な懇親会は、特にメンタルヘルスの支援や孤立防止という点で、今後ますます意義が大きくなっていく気がしますね。
——あらた先生はオンライン懇親会をどのように位置づけていますか?
あらた先生(呼吸器外科)
私も懇親会は、コミュニケーションとネットワークの広がりに役立つ場だと思っています。
学会などの公式な場では話しにくいような研究の話や、プライベートなことも自然に話せるのが魅力ですよね。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
なるほど。実際、そういったつながりがきっかけでキャリアが広がったり、転職の参考になったりすることもありますよね。
あらた先生(呼吸器外科)
はい。ただ、人によっては初対面の場で話しかけるのに勇気がいると思うので、できるだけ多くの人が自然に話せるような仕掛けがあるといいですよね。どうしても内輪で固まりがちなので……。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
おっしゃる通りです。交流を促進するには、会そのものの設計が大切になってくると感じます。
——あらた先生は、オンライン懇親会を主催するときに何か工夫されたことはありますか?
あらた先生(呼吸器外科)
大学の勉強会で懇親会を主催したことがあるのですが、そのときは立食形式で、結局同じ大学のメンバーばかりで話してしまって……。もっと工夫が必要だったと感じました。
コロナ禍では講座の受講生や講師を交えたオンライン懇親会も実施しました。その際は人数が多かったので、Zoomのブレイクアウトルームを使ったり、メタバース空間「gather」も使ったことがあります。
しまりす先生(腎臓内科)
メタバース!名前は聞いたことありましたが、そんなことまでできるんですね。2人だけの会話も可能なんですか?
あらた先生(呼吸器外科)
はい。gatherでは、近づいた人の声が聞こえる仕組みなので、自然な感じで2人の会話もできます。20人程度なら無料で利用できますよ。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
それはすごいですね。ブレイクアウトルームというのは、Zoomの機能なんですね?
あらた先生(呼吸器外科)
そうです。大人数を少人数のグループに分けて交流できる機能です。4名程度でテーマを決めて話すと、深い交流がしやすいですよ。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
とても勉強になります。懇親会って、本当にいろいろな形があるんですね。
オンライン懇親会のメリット・デメリット
——オンライン懇親会のメリットとデメリットは何でしょうか?
Dr.Y413先生(産科麻酔)
オンライン懇親会の長所として、出席しやすいこと、資料を使った説明が容易なこと、自分の好みの飲み物や食べ物を用意できることが挙げられます。ただし、没入しにくい、現実感が薄い、仲の良い人とはかえって会話しにくいといった短所もあると感じています。
あらた先生(呼吸器外科)
おっしゃる通りです。オンライン懇親会には「参加のハードルは低いが、関係性が深まりにくい」というジレンマがあります。Gatherのような仮想空間ツールを使うと、実際に歩み寄ると声が聞こえるなど、物理的距離を活かした雑談が可能になります。
また、偶発的な出会いが起きにくいという課題に対して、Zoomのブレイクアウトルームを活用したランダム対話の時間を設けるなど、意図的に“偶然”を設計しています。たとえば、3〜4人ずつのグループを5分×3回で入れ替えるなどですね。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
なるほど、リアルの懇親会より頻繁に席替えを行うとは意外です。gatherの「近づくと声が聞こえる」設計も非常に面白いですね。第三者が近づくと会話が聞こえるようになるのですか?
あらた先生(呼吸器外科)
そうです。基本は近づくと声が聞こえる仕様ですが、2人用の個別席や着席モードを使えば、限られた人同士の会話にも対応できます。設定済みのROOMに入るだけならすぐに使えるので、技術的なハードルは低いと思いますよ。
しまりす先生(腎臓内科)
私の夫は在宅勤務中心のプログラマーなのですが、職場では「ovice」というツールを使っていました。こちらも近づくと声が聞こえる仕組みで、gatherよりシンプルだが仕事向きだそうです。私自身は子育て中なので、オンライン懇親会だと参加しやすく、特に子どもの預け先を調整しなくてよいのは本当に助かります。
あらた先生(呼吸器外科)
コロナ禍以降、こうした形式の広がりを感じます。たとえば「アザラシライティング塾」のようなオンラインコミュニティでgatherを導入してみるのも面白いかもしれませんね。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
確かに、メタバースのような設計は“リアルっぽさ”を再現するのに有効です。ZoomやTeamsは初心者でも扱いやすいですが、メタバースにはどのような利点がありますか?
あらた先生(呼吸器外科)
Zoomでは参加者が多くなると発言できない人が出てきますが、メタバースでは“濃淡”がつけやすくなります。会話の輪から少し離れたり、小グループで話したりと自由度が高いんです。セミナー中にその場で説明しながら導入することも可能なので、導入のハードルも思ったより低いですよ。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
非常に機動的ですね。主催者側の理解と工夫がオンライン懇親会の質を大きく左右するのだと実感しました。技術的な面も含めて、私も今後ぜひ挑戦してみたいです。
しまりす先生(腎臓内科)
おっしゃる通りです。主催者がそもそもメタバースの存在を知らなければ、選択肢にも入りませんよね。あらた先生のように常に新しいものを学び、取り入れる姿勢は見習いたいです。私も主催側に立つときは、もっと柔軟に考えて工夫していきたいと感じました。
オンライン懇親会で顔出しのメリット、デメリット
——オンライン懇親会の顔出し対応ってどうしていますか?
Dr.Y413先生(産科麻酔)
私はオンライン懇親会でも、子どもにご飯をあげながら、寝かしつけながら参加することが多く、顔出しは困ることがあります。こういった状況では、そもそも懇親会への思いのかけ方が足りないのかもしれませんが、大きなコミュニティになると特にプライバシーの問題で顔出しを避けたくなります。
あらた先生(呼吸器外科)
まさにその通りですね。私も子育て中で、子どもが突然画面に入ってくることもあるし、家の様子が映ってしまうこともあります。
でも、顔出しのメリットも大きくて、表情や反応がリアルタイムで見えることで話しやすくなるし、安心感が生まれるんですよね。初対面の人とも心理的距離が縮まりやすいと感じます。
ただ、プライバシーは本当に重要な要素で、顔出しを強制するとかえって参加しづらくなる人も多いはずです。ですから、「顔出し推奨だけど強制はしない」というスタンスがいいんじゃないかと。
たとえば、冒頭の挨拶だけ顔出しして、あとは自由にオン・オフできる形にするだけで、ずいぶん心理的負担が減ると思います。Zoomの背景ぼかし機能なども活用できますし、私はよく使っています。
——Dr.Y413先生はプライバシーに関してどのように工夫していますか?
Dr.Y413先生(産科麻酔)
私もぼかし機能はよく使います。主催側や話し手としては、相手の反応が見えると安心できますし、質問もしやすくなりますよね。
最近調べたところでは、メタバースの会議ツールでは顔出ししない形式が主流で、アバターなどが本人らしさをある程度表現してくれるそうです。全くの無人よりは、何かしら「存在感」があると、やっぱり距離が縮まる気がします。
しまりす先生(腎臓内科)
表情が見えると、安心感があるのはすごく実感します。ちょっとした頷きや笑顔があるだけで、画面越しでも空気が柔らかくなりますよね。
でも、子どもが寝ていなかったり、在宅勤務中でバタバタしていたりすると、「今だけはオフにしたい…」って思うことも多いです。なので、あらた先生のおっしゃるように、「推奨だけど強制しない」がちょうどいいと私も思います。
以前、ある勉強会に参加したときに全員顔出しなしだったんですが、まったく面識がない人ばかりだと、やはり距離感を感じました。アバターでも何かがある方がいいですね。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
集まりの趣旨や関係性にもよりますが、自宅で参加する分、「公共感のオン・オフ」の切り替えが難しいと感じることもあります。
たとえば21時開始の会だと、「化粧どうしよう」と悩みますね。すっぴんはさすがに気になるので、マスクをして参加したこともあります。顔出しはコミュニケーションが円滑になる反面、背景や生活感、家事との兼ね合いで悩みが増える面もあると思います。
しまりす先生(腎臓内科)
わかります。私もマスクで参加したことがあります。化粧をまたするのも大変だし、終わったらまた落とさないといけないですしね。
インスタなどでは、動画でも顔を加工している人がいて、私は全然気づかないレベルでした。近い将来、自分がきれいに映っているアバターで出られる時代が来そうですね。ただ、子どもの乱入とかはどうしようもないので、その時は臨機応変に対応しています。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
顔出しが強制されると「その場から離れられない」という圧迫感を感じることがあります。主催者側の配慮は本当に重要ですね。
私は参加者側として、拍手やリアクションをできるだけ使うようにしていて、顔出ししていなくても「そこにいる感」が伝わるようにしています。
しまりす先生(腎臓内科)
拍手リアクションは私もよく使っています。
あらた先生(呼吸器外科)
私もリアクションスタンプは積極的に使うようにしています。気軽で、でもちゃんと「聞いてるよ」と伝えられるところがいいですよね。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
ありがとうございます。顔出しの有無に関わらず、工夫次第で円滑なコミュニケーションは可能だと感じますね。
オンライン懇親会で親睦を深める顔出し以外の工夫
——顔出しをしなくても参加者間で距離を縮めたり、打ち解けたりする工夫はありますか?
あらた先生(呼吸器外科)
主催者側としては、Zoomなどで「○○について意見ある方はチャットに書いてください」と投げかけるようにしています。
司会がチャットの内容を拾ってコメントすることで、双方向のやりとりが生まれるし、顔出しなしでも参加している感じが出ますよね。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
確かに、顔出しや音声での発言より、チャットの方がずっと気軽に発言できますよね。
しまりす先生(腎臓内科)
私もチャット活用は良いなと思っています。発言は緊張してしまってできないタイプなのですが、チャットなら書き込めます。自己紹介なんかもチャットだと参加しやすいですね。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
チャットのほかに、顔出しなしのオンライン懇親会で、親睦を深めるための話題やアクティビティ、ゲームなどでおすすめがあれば教えてください。
あらた先生(呼吸器外科)
顔出しなしの懇親会は確かに難しいですよね。いくつかやって良かった工夫をご紹介します。
「共通点探しゲーム」はとても効果的でした。事前に「好きな食べ物」「最近見た映画」などをアンケートで集めておいて、当日は「この中に、同じ趣味の人が◯人います。誰でしょう?」というクイズ形式にすると、自然と会話が生まれます。参加者がリアクションで答えるスタイルだと、顔を出さずとも一体感が出ますよ。
また、「匿名おつかれさまボックス」も良かったですね。Googleフォームなどで事前にメッセージを集めて、当日読み上げる形式。日頃言えない感謝の気持ちなどが伝わって、温かい雰囲気になりました。
「あるある共感タイム」も盛り上がりました。「子どもが夜なかなか寝ない」みたいな話題を出して、「うちも!」とチャットで反応するだけでも一体感が生まれます。
「おすすめグッズ紹介」も効果的です。育児グッズや本などをチャットで紹介して、URLを貼れば話が膨らみます。話すのが苦手な人にも優しいですね。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
たしかに、企画の段階でしっかり設計しておけば、当日話しやすい雰囲気になりますね。
——司会の存在も大きい気がします。誰かが進行を担うだけで、全体が安心して参加できます。
あらた先生(呼吸器外科)
司会がいないと、誰が話すかのタイミングがかぶったりして、難しく感じることが多いです。特に全員が顔を出していないと、「今、誰が話す?」という空気の読み合いになりやすい。
私が話した事例は、コミュニティ運営の中で実際に使ったものが多いですね。clubhouseやLINE通話などの音声のみのツールも試しましたが、4〜5人くらいが限度でした。緩めの場であればもう少し人数が多くても大丈夫ですが。
しまりす先生(腎臓内科)
本当にそうですよね。喋り出すタイミングが難しい。
でも、共通点探しのようなゲームは、初対面の人でも自然に話せて、仲間意識も生まれるのですごく良いと感じました。
お題があることで自己開示がしやすくなるし、会話のネタに困らないところもポイントですよね。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
確かに、共通点や話題のベースがあると、話しやすくなる気がします。
懇親会というある程度オフィシャルな場でも、あえてプライベートなことを聞いてみることで、関係が深まることもあると思います。
しまりす先生(腎臓内科)
子ども関連の話題では、「習い事どうしてる?」みたいな話も良いですね。自然と「うちもそう!」と共感できるし、情報共有にもなります。
それにしても、あらた先生のアイディア、素晴らしいです。ご一緒に懇親会を企画してみたくなります。
Dr.Y413先生(産科麻酔)
本当に。事前にお題があると、自分のことも気兼ねなく話せて、安心感がありますね。準備の重要性をあらためて感じました。
座談会全体のまとめ
今回は懇親会の目的や役割、オンライン交流会の上手な活用方法を現役医師3名で討論いたしました。オンライン飲み会や懇親会の際にぜひお役立てください!
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